歯周病の原因論

ここに一つ、具体的な歯周病の原因論をいれてみたく思います。ここからが、私が専門に勉強してきたまさに、今回、皆様に紹介したい世界なのです。どうぞ、お付き合いください。
ここが、実は、大事な世界観の紹介になるというような気がします。

歯周病の原因論

これは、どんなつながりがあるのだろうと、考えられているかと思います。 
というか、考えてほしいのです。

そこで、一つ、提案。
一緒に歯周病についての理解を深めていきませんか?

歯周疾患を免疫学的に、理解を深めていただきたく思います。

先の世界は、炎症から、歯周疾患がおこるのだと、炎の図で、表現をさせていただきました。この炎症が派生するとき、必ず、免疫が蔭では働いているのです。この免疫の問題を解決する事無しに、歯周病が治る事は、残念ながらありません。
もし、あなたが、難治性の歯周疾患でお悩みの場合、何度も歯茎をきれいにしているにも拘らず、治らない場合、実は、この免疫のレベルまで、その治療を深めて考えないと、その解決は図られないかも知れません。

それでは、始めて行きたく思います。

 

まずは、一般的に言われる、歯周疾患を免疫学的に記すと、こんな表現に出くわします。2つほど、ご紹介します。

 A・歯周炎は、プラーク(歯垢)の病的刺激により歯周組織が破壊されていく慢性炎症性疾患である。しかし、通常の感染症とは異なり、感染源であるプラークは歯周ポケット内という生体外に長期にわたって存在し、免疫系の働きによる排除機構を十分に受けることがない状態で慢性的に歯周組織を刺激し続けることになる。そのため、宿主細胞は歯周組織において持続的な、また過剰な免疫応答・炎症反応を繰り広げ、その結果、生体応答自体が歯周組織の破壊に関与することになる。

 B・歯周炎は、歯周組織の破壊を伴う炎症性疾患であり、その組織破壊は従来より細菌を主因子とする環境因子であるとされ、プラーク中の細菌による直接的な組織破壊、過剰あるいは異常な炎症反応、免疫応答あるいは生体成分の変性により生体自身が新たな抗原性を発現することなどがその原因であると考えられている。しかし、プラークの蓄積が必ずしも重度な組織破壊につながるわけではなく、また、十分なプラークコントロールがなされていても組織破壊が継続するケースも見られる。このような差は環境因子だけでは説明できず、近年、遺伝的素因の検索がなされ、歯周炎の発症への関与を示唆する報告もなされている。しかし、全ての歯周炎を遺伝的素因で解釈することは困難であり、現在では歯周疾患は環境因子と遺伝的素因の相互作用により発症すると考えられるようになってきた。しかしその機序は単一のメカニズムで成り立つのではなく、様々な仮説が唱えられている。

となります。

 Aにおいては、平たく言えば、プラークと言う細菌の集合体により引き起こされるというわけです。

だから、歯ブラシをしましょうと、強く言うわけです。
我々歯医者さんは。
私も歯ブラシは大事と思っております。

この話は、テーマからそれてしまうので、また後日にでも紹介します。

 Bにおいては、本当は、悪化させるのは、プラークだけれども、時に、プラークコントロールがなされていても、疾患が悪化する事がある。要因は分らないが、炎症が残っているからだろう。そして、遺伝子とも、思いたい。でも、そうとは言い難い。となると、炎症は、プラークと、遺伝子と両方のコラボレートが相まって、起ると言いたいけれど、言い切れない。
(女子高生を混ぜると)というか、結局、よく分らないけど、いろいろな説も、分らないから、出すしかないのよね~ こんな感じに、言い表せるのでしょうか?

といった、理解な訳です。
すると、はじめに書いた、100パーセント、分っているわけではないと、言うお話に、戻るわけです。

表については、次の章に持ち越します。よろしければ、そちらをご覧ください。

次のページへ