チーム医療のくすり(その9)

どーもです。

ようやく今のアキヤマをチーム医療にこだわるアキ山をアピールできる秋山です。
不思議なものです。1年繰り返し、根負けしたのか、ヤツも一言言いました。

「分かりました。そこまで言うなら」

僕にとって丸山先生は恐れ多く、他意も特にあるわけではないのですが、多分、臨床はコスガの方がいい。あるいは確実だろう。今思えば大それたことを思ったものです。ヤツは言いました。

「先生、真剣なら協力します。」
僕には最高の言葉でした。すかさずヤツは言いました。
「逃げないで下さい」
「えっ」 意味が分かりませんでした。
アキヤマの秋山歯科にとり、万全の布陣になるはずなのに、なぜコスガはそう言うのだろう。その意味が分かったのはつい最近でした。その重みを痛いくらい分かることができたのはつい最近でした。
ヤツはその時言いました。

「先生、この治療はおそらく未来の歯科医のあるべきスタイルだと思います。それを習熟するのは並大抵ではないです。それでも先生が選ばれるのならば僕は喜んで協力しましょう。ただし、覚えておいて下さい。基礎に忠実に。これでもかというくらい基礎に忠実に。奇をてらうのではなく、基本に忠実にやるしかないのです。」
「何を言っているんだ」と当時の僕は思いました。開業医というのは、仮にABCDという五段階のプロセスがあるとするならば、ACEとかABEにするのが、ホケンの悲しいかもしれませんが開業医の選ぶ生きるすべなのです。


ABCDEという手順で赤字を省みずできるのが僕の学生時代の大学でした。
古きよき時代の大学、と言えるかも知れません。悲しいですが、ABCDEを省いて(これは医療費削減という国の方針ですので結果手を抜き、結果レベルが下がるのはいたしかたないことです。)行わざるを得ないのが、もしかしたら保険治療の実情なのかもしれません。これが医療改革という名の下で起きてしまっている、現場レベルでの医療レベルの悲しい現実です。

 コスガは驚くほどこだわります。要求します。ABに行く前にA-1、A-2、A-3、ちよっと待て、僕の知っている大学病院時代より細かいステップ。基準を0 この意味が分かったのはやはり最近でした。振り返るとコスガは言いました。
「先生、手を抜くことは許されません。医療は戦いです。結果を出せなければ、本来もらうべき報酬は、くやしいくらい、悲しいくらい頂戴できません。だからお金は、手元には残らないのです。」

何を言っているのだろう、と当時の僕は思いました。
その意味が分かったのもつい最近でした。
「先生がやりたいのであれば、たくさん勉強した僕は(今になってわかるのですがヤツは結果を出せず、相当苦しんだようです。その意味を僕が、アキヤマが、理解するのには1年かかりました)先生の求める結果を出せると思います。けれど先生が結果として真摯さを裏切った場合、やはり、僕と同じように痛い目にあうでしょう。それでもよろしければチームを組みましょう。よく考えて下さい。」
その意味の奥深さを分からなかった僕にとり、それがチーム医療のさわりを知るきっかけになりました。

それが事実なのです。

これは、チームのすごさの意味を分からず、チームを用意しただけだったのです。

ここにコスガから見せられたチーム医療の資料があります。

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