専門医アキヤマのくすり(その2)

要は、一本の歯から始まって最後は全部抜歯になってしまうという流れです。
確かに悪くなるって、こんな流れですよね。

これはあくまで一例なのかもしれません。しかし、例え歯周病治療をしっかりとしていたにもかかわらず、デンタルサイクルにはまる例が十分すぎるくらいあるから問題なのです。

上記に記した事実がある上で、でも、最後はインプラントがあるから大丈夫?と言ってよいのでしょうか?

これは何を意味するのでしょうか?なにか抜けてはいないでしょうか?
ずばり、“なぜ駄目になったのか?”は、このサイクルの考え方はありません。
上記の流れにおける考え方では、ダメになる事実は受け入れる事となります。

臨床医であれば誰しもが思うことがあります。受け入れるしかないのか?

いつかは入れ歯、インプラントで、仕方ないと・・・・。

このサイクルから離脱させる、あるいはサイクルにいかなくさせるkey word は咬合にあります。いわゆる“噛み合わせ”ですね。事実、歯周病学分野でも咬合性外傷という言葉で、治療の成功を阻害する因子の一つになっています。key wordを“咬合”というところに置いたとき、私の中では、いろいろなことが整理されていったのです。

咬合については、過去の先人たちから、莫大な量の研究がされています。

その上に立って、歯周病の歴史と同様にどんどん解明あるいは理解を深めないといけない知識に、実は咬合という分野が必要だと実感するに至っています。

実は、この必要な知識を、残念ながら大学では教えていません。


実際に咬合という分野を重視した歯周病治療を行ったとき、ポケットの劇的な改善や、歯周組織の安定度に驚くほど影響があることすら、実感しています。

ここに前述した“なぜ駄目になったのか?”という問いかけに対する答えがあるといって良いのです。