インプラントの診断について(その1)

インプラントの診断という話を一つ入れてみたいと思います。
歯がなければ、インプラントが良いという話を聞かれたことがあると思います。

唯、インプラントを打ち込めばよいというわけではないのです。
まず、これを、問いかけてみたく思います。
そこで、今回は毛色を変えて、一人のデンティストとして、私がどんな事を大事にしているか紹介してみます。

そして、それが、診断へと、どうつながるか、紹介してみたく思います。

インプラントをするにあたって実は、骨の情報は重要な要素です。
一重に骨の量と、言っても、実は、確認して、知る世界は、細かいものと、私は考えます。
言葉にすれば、こんな感じでしょうか?
・骨の質(硬い、柔らかい)
・骨の幅、厚み
・骨の深さ(長さと言った方が、イメージできるかもしれません)
その量によってどの長さのインプラントを選択すべきか、また横幅によって太さはどれくらいのものが適切か決まってきます。

そのために、実は、レントゲンは貴重な情報を教えてくれます。
これが、、一つ目のポイントです。
レントゲンで、如何に立体的に把握するかが、まずは第1に必要事項と、私は考えております。

一般的に歯科医院に置いてあるレントゲン装置は、パノラマと言われている機種です。
これでは、残念ですが、立体的な把握は、完璧には出来ません…
私は、立体的把握を、どんな簡単と、思われる症例でも取るべきと、考えております。
考え方は、ドクターそれぞれですので、ここに、強く、何かを申すものでは無いのかもしれませんが、私は、確実な診断をするからこそ、物事を真摯に始める事が、出来ると考えております。

読者の皆さまは、どのようにお考えになりますか?

まず、当院が採用している方法は、オルソパントモグラフという撮影器具を使用する方法です。
多くの先生も、きっとそうされているはずですから、驚かれるものではありません。

これは、顎全体の把握ができ、しかも、垂直的な骨の量が分かります。そして、付け加えたい事に、骨には、水平的にも厚みがあり、しかもさまざまな凹凸がみられる事もあります。その際には、当院では、
3-D-X という撮影方法により、3次元的に骨の状態が把握できるものを参考にするように、当然のようにしております。
これにより、正確な骨の状態が把握できると考えます。

骨の性質を知ること、把握する事、いうなれば、相手を知るからこそ、相手を味方につけ、安全に事を、推し進める事が出来ると、考えているのです。

う~む しっくりきません。
別の言い方に変えてみますネ。

骨の性質を知るからこそ、適正な埋入の(深さ、角度、位置)立体的把握が、出来、結果、それが、安全に事を、推し進める事が出来るのではないかと、考えるのです。

この事を無視して、進める事は、もしかしたら、診断を経験則で、解決しようとして、事故という可能性を、考慮しない事になるのではないか、私は、考えているのです。

始めに情報を、なるべく正確に採取する。
知識と、学術に照らし合わせ、考察をする。
経験から、改めて考察をする。
そして、リスク回避と成功を考える。
決っして、盲目的に経験値だけに、重きを置かない。
診査、診断があって、始めて物事が進む。

これが、2つ目のポイントになります。

さて、他に立体的に把握する方法として、こんな事も行ったりもします。
骨の状態(外形)は、スタディモデル(歯の型をとってつくった石膏模型)により、ビジュアル的に診断できます。これによって実際のかみ合わせに必要な位置や方向などが予想できるのです。これらの情報をもとに診断していくのです。

言うなれば、3つ目のポントと言う事になります。噛み合わせまで考えて行うというこだわりは、実は、自分の中では、大きなポイントです。

ほとんど、今は行いませんが、こんな工夫で、立体性を把握する事もあります。

患者さんの中には、“おれ、それやられたよ、”っと、笑いながら、言われる方もいらっしゃるかもしれません。
立体を知る、理解する、はとくにかくにも、工夫の結晶と、ご理解ください。
今は、私どもは、めったにやりませんが、紹介と言う意味で、入れてみましょう。
パチンコ等大(直径を10mmにしたりするのですが)を頬に、置いて、レントゲンを撮るとか?
麻酔して、針をさして、状況を確認するとか?

骨を知る為に、われわれ自身様々な工夫する生き物なのです。
それが、臨床家として、大事なあるべき姿と考えております。

次のページへ